HOME  第三者評価概要  教育・研修  コンサルティング  評価結果     法人情報
コラム  メールマガジン  リンク      


 第1回 「医療の質と福祉サービスの質・・・安全性の重要性」
 第2回 「評価手法の改善に視点」
 第3回 「少子化」
 第4回 「利用者による介護サービス(事業者)の適切な選択に資する情報開示の標準化について」
 第5回 「<顧客の所有物>について」
 第6回 「1件の評価を終えて」
 第7回 「介護サービスの《設計・開発》について
第1回 「医療の質と福祉サービスの質」・・・・・・安全性の重要性

過日、東北大学大学院医学系研究科上原鳴夫教授の講演を聞く機会があった。上原教授は、医療の世界にTQM(トータル クオリティ マネジメント)の導入を推進する活動で知られた人である。(「医療のTQM推進協議会」http://www.tqm-health.gr.jp/)。

アメリカでの調査研究では、『入院中に医療行為による障害を受けた人は、ニューヨーク州調査で2.9%、ユタ州とコロラド州調査で3.7%。それが何らかのエラーによっていたものは58%、53%。年間あたり、推計44000人から98000人が「防止可能な医療障害」(エラーによるもの)を原因として死亡していることになる』と。
 また、ある学者はつぎのようなことが明らかだという。
(1)医療ミスによる死亡は米国における死因順位の8位に相当する。
(2)医療ミスによって毎年290億ドル(3兆円以上)の過剰なコストがかかっている。
(3)安全対策は他の産業界の経験に学ぶようにしなければならない。
(4)ミスを減らすにはシステムを変えなければならないことを多くの研究が示している。
私にとってまことに衝撃的な話であったが、わが国の実態はどうか、と考えさせられた。

上原教授は、さらに厚生労働研究「NDP (National Demonstration Project on TQM for Health=「医療のTQM実証プロジェクト」(http://www.ndpjapan.org/ 病院と品質管理専門家の緊密な協力により、病院医療において患者本位の質を確立し継続的に向上させるための質保証システムと組織的質管理のありかたのモデルを構築することをめざすボランティア・プロジェクト)を紹介しつつ、『質の考え方の発想転換を!』と、@何の質か?Aどんな質か?B誰のための質か?を考え、「確実さ」−あたりはずれがない−を提唱された。 
医療者と患者との情報量の違い、価値観の違いからそれぞれの満足度は大きく乖離している。医療の質は、この乖離をどれだけ近づけられるか、言い換えれば、「患者が医療に求めることをどれだけ実現できるか?」、また、「医療の役割」を再定義することにかかっているということを強調された。

福祉サービスにおいては、2002.3.28に厚生労働省「福祉サービスにおける危機管理に関する検討会」が、福祉サービスにおける危機管理(リスクマネジメント)に関する取り組み指針〜利用者の笑顔と満足を求めて〜」を公表した。
ここでは、@リスクマネジメントの基本的な視点、経営者のリーダーシップと決意の重要性、Aリスクマネジメントを進める体制整備、B事故を未然に防ぐ諸方策に関する指針、C事故が起こってしまったときの対応指針を記したのち、最後に「単なる事故防止や賠償問題に矮小化することなく、積極的に利用者の満足度を高め、提供するサービスの質の向上を図るなど、より良いサービス提供を目指すという視点で進めることが肝要です。」と述べられている。
各事業者(所)で、取り組みが始まっている。筆者がISO9001品質マネジメントシステムの審査を行なった介護老人福祉施設においては安全対策委員会を設け、ヒヤリハット情報や事故情報を集積・分析し未然防止や再発防止に取り組んでいた。
一方、福祉サービス第三者評価では、事業評価のカテゴリー「6.サービス提供のプロセス」のサブカテゴリー「6.安全管理」で二つの評価項目(@感染症、発作、食中毒けが等に関するリスクに対する対応、A火災、地震、外部からの侵入等の災害に対する対応、さらに@には5つ、Aには8つの小評価項目)が設定されている。

これらをみて、医療の『質』における安全の重要性と比較すると、福祉サービスの『質』における安全のそれに対する認識は弱いのではあるまいか。そういう認識に対する危機感が、先の指針が最後に述べていることに現れているように思われる。評価者としても大切な視点であることをしっかりこころに留めておきたいことである。(K.H 2004.2.11記)

 


以上、コラム
でした



お知らせ

『精神障害者ホームヘルパー養成研修〔第6回〕』を、5月13日(土)、20日(土)、27日(土)に開催すべく東京都知事へ指定申請中です。


  
HOMEへ
Copyright (C) 2006 ACS All Rights Reserved.